平成1499()

 疲れているはずなのに、熟睡できなかったらしく、モーニングコール前に目が覚めてしまった。

添乗員のモーニングコールに、「はい、起きてます・・・」っと、つい不機嫌な声になる。

何とか乾いた衣類を身に着けて、二人で朝食へ。

 ホテルの朝食は、バイキング方式、充実していて、ちょっと機嫌が直ったかな。

ワイワイ、ガヤガヤ、パンやコーヒーの列に並ぶ。

「おはよう。」の声に続く会話は・・・

「荷物着かないなんて最悪よね。」靴下が乾かなかったと嘆いている。

「あっ、荷物着いた組なんだ!」昨日と服が違ってる!

着かない組に、羨望の眼差しで見られて、恐縮している。

4人掛けのテーブルなので、同室のS戸さんとH田さん、A木さんペアと座った。

 昨日は、両替も出来なかったので、どうしてもしておきたい人は、添乗員が今から連れて行ってくれるという。

大学では、お金を使うこともないし、帰ってからでもいいかと思っていると、H田さんが行くというので、手数料節約のため、一緒に頼むことにする。

8:15、ロビーへ集合。着替えもないまま、セミナー受講にイエテボリ大学へ向かう。


 大学までは、これから毎日市電に乗って通うことになる。

 市電乗り場までは、ホテルから歩いて、5分程だろうか。

ゾロゾロ添乗員の後について、乗り場に向かう。

今日も暑くなりそうだ。


 イエテボリは、路面電車が走っている。通勤通学時間なので、かなり混んでいる。

20分程で、大学下に着く。

イエテボリ大学は小高い丘の上にある。

31人の列が、トコトコ、坂を上っていく。


 午前中は、このセミナーのメインであるL教授の講義。

最初に、セミナー開講のご挨拶。

「皆さん、ニューヨークを回って、イエテボリまで28時間の旅だったそうで・・・・」

おお、言ってくれるな、取り切れない疲れがドッと出てくるから。


 昨日のウェルカムパーティーについに現れなかった、V教授も顔を出す。

お母さんのバースディーパーティーを抜け出せなかったとか・・・

私たち、28時間の飛行機の旅の後なのに、頑張ってあなたを待ってたのよ〜・・・


L教授の講義は、歯周病の大原則について、英語。

 O教授が通訳する。

が、時として注釈的にご自分の講義になってしまう。

脱線していくと、T先生が引き戻す。

 3年前に、歯周病研究者の世界的な会議があり、分類について統一見解を出したそうで、私が来た4年前と分類の仕方が違っている。


 通訳付きの講義は実際の内容は時間の半分になってしまうわりには、疲れる。

しかし、来日時の壇上での講演と違い、教室での講義は充実感が大きい。


午前中に1回、15分のコーヒーブレイクが入る。


 教室の隣に、休憩室があり、お茶菓子とコーヒー、紅茶、緑茶、昆布茶が用意してある。

お茶菓子は、T先生がお土産の見本にと、人気の品を色々買い揃えてくれたそうだ。


 O
教授、T先生、通訳役のH野さんも一緒にお茶を飲む。

H野さんは日本から勉強に来て、今では正式にこちらのスタッフになっている歯科衛生士、日本ではO教授の下で仕事をしていて、こちらに留学した人だ。




 後半の講義も熱が入るが、時間通りに終了になった。

L教授は、最近、パソコンのスライドソフトを使って講義するようになったのが、ご自慢のようだ。

時間通りに終了できたのは、「こいつのおかげさ、すごいだろ!」っと、嬉しそうだ。


昼食:ライトビール・サラダ・サーモンディル入りマヨネーズソース・茹でジャガイモ・パン・コーヒー・チョコ
2


 学食で、テーブル3つ程に別れて、昼食。

こちらでは、サーモンとジャガイモは定番だという話。

隣に座った、北海道から来たS本さんが、気候も風景も食事も他所に来た気がしないと笑う。

 1時間の昼休みも、建物を移動しての食事だと、余裕が無い。

皆、そそくさと、教室へ戻る。


午後は、昨日、私たちをすっぽかした
V教授の講義。

 内容は歯周病治療の進め方についてだが、こちらも4年前とはかなり違うシステムになっているようだ。

日進月歩とは言え、医療の進歩について行くのは、かなり厳しいな〜。


 午後もコーヒーブレイクを挟んで、16:00まで講義が続く。

ハ〜、疲れた〜・・・


 添乗員から、荷物が着いたが、二人分だけ未着との報告!

いったい誰の分なのか?

添乗員にも分からないので、とにかくホテルに戻って確認してくれという。

トランクの着かない人には、エールフランスから一人700クローネの着替え等を買うお金が出るので、確認し次第、買い物に行くという。


 試験結果の発表を見に行くように、皆ドキドキしながらホテルに向かう。

ホテルに着いてみると、トランクは、すでに部屋に運び込まれていた。

部屋まで行かないと、自分のトランクが着いているか分からない。

皆エレベーターに走る。


 ところが、カードを入れても、エレベーターのスイッチが反応せず、赤ランプが点灯する。

オイ、オイ・・・

 このホテルは、防犯の為に、エレベーターに乗る時もカードキーを入れないとドアが開かない。

焦っているので、誰かが開けたエレベーターに飛び込み、5階へと急ぐ。

自分の部屋に急行、カードを入れて飛び込・・・めなかった。

 また、赤ランプが点灯して、鍵が開かない!

5階の皆、開かないようだ。


 いや、一部屋だけ開いて、向かいの部屋から、K村さんが叫んでいる。

「無〜い!荷物が着いてないの私だ!」

彼女の相方は、昨日の内に荷物が着いた組だったので、ホテル側で鍵を開ける必要が無かった為に鍵も開いたらしい。

とすると、鍵が開かない部屋は、荷物があるという事か・・・

一人部屋の人達の顔に、安堵の色が浮かぶ、彼女たちのトランクは着いているらしい。


 ともかく部屋に入らなければならない。

皆がエレベーターへ走る。

 フロントに殺到。カードを書き換えるには人数が多すぎて時間がかかる。

ひとまず、マスターキーを持って係りのおじさんが一緒に5階へ上がった。

次々に部屋が開けられる。

一番奥の私たちの部屋まで、おじさんはなかなか来ない。

「トランクが無い!」という声は聞こえてこない・・・


 とうとう、私たちの部屋だけになってしまった。

二人の内、どちらかの荷物が無いのか?他の階の人なのか?

おじさんがドアを開ける。


トランクは一つだけ!

見慣れた私のトランクだった。

と言う事は・・・S戸さんが叫ぶ「私だ!・・・」

 私も、嬉しさ半分だ。

相方の荷物が着かなくては、気の毒で、喜んでもいられない。


 カードの書き換えがあるので、皆で階下に降りフロントに向かう。

ロビーにK村さんが先生たちと待っている。

S戸さんのトランクが無い事を話す。


 ところがもう一人、
IIさんの部屋にもトランクが無いという。

着かなかったトランクは間違いなく2個のはず・・・

他の部屋に入っていないか、もう一度確認作業になった。

S戸さんのトランクが他の部屋にあってくれれば・・・


 エレベーターが開いて、
IIさんのトランクが運ばれて来た。

やはり、他の部屋に入っていたようだ。


 K村さん、S戸さんが添乗員に連れられて、買い物に出て行った。

私は、部屋に戻って、荷物の点検をする。

荷物の中は、無事だったようだ。

 さあ、今日はお風呂に入って、着替えられるぞ〜!


 一先ず、夕食にせねば、さてどうしようか・・・

そうだ。H田さんに両替してもらったお金を受け取らないと、スェーデン通貨が無い。

H田さんたちの部屋に寄ると、3人分を両替したらしく、一所懸命、計算して分けている。

細かいお札が無いらしく、キッチリ分けられないようだ。

とりあえず、大きなお札だけを受け取り、残りは細かいお金が出来てから、ということになった。


 ロビーに下りてみると、5、6人のグループが出来ていて、中華料理を食べに行くという。

好き嫌いも無いので、便乗する事にして、グループの中で両替に行った人が戻ってくるのを待つ。

両替に行った2人は、なかなか戻ってこない。後から行った1人が戻って来たのに・・・

近くには両替所が2箇所あるらしく、前の2人とは会っていないと言う。

 やっと、戻って来た二人の話では、両替の通貨が無くて待たされたらしい。

おいおい、両替所でしょう?


 さてさて、お腹のすいた皆は、中華レストランへと急ぐ。

1人で食べるなら、カードでも良いのだが、割り勘となると、どうしても現地通貨が必要になる。


ガヤガヤと、集団で店に入ったが、いつの間に増えたのか、数えてみると12〜13人。

一緒に座るのは無理なので、テーブル2つに分かれて座る事になった。


 さて、何を注文するか?

幸いメニューは、漢字が並ぶ。

何とか意味が分かるので、メニューを指差して、注文。


夜:中華
(さ〜て、何を食べたか?・・・チャーハンはありました。)


 ワイワイ、ガヤガヤ、和気藹々と時間が過ぎて、外が暗くなる頃、ホテルに向かうグループと、まだ夜の街をさまようグループに分かれる。

 私は、さっさと帰るグループに入ってホテルへ向かう。


 さて、ホテルに戻っても、疲れきっていて、ノートをまとめる気にもならない。


 しばらくして、S戸さんも戻ってきた。

買い物は、この暑さでも冬物しかなかったらしく、半袖は、バーゲンのワゴンしかなかったと言う。

下着を選ぶのに、添乗員が傍から離れないので、「外で待ってるように言ったのよ。」などと話す。

あまり良い品はなかったという。

私たちが食事をした中華料理店の脇に可愛い下着屋さんがあったことを話すと、明日も荷物が着かなかったら、そこに行こうと言う事になった。


 初日の講義で疲れたので、早めに就寝。